コミュニケーションデザインで共感の輪を
日中共同プロジェクトで海外のデザイン賞受賞
当社の中国グループ会社・島津企業管理(中国)有限公司(以下、SSL)によるユニークな展示アトラクション「医用分析融合体験区展示」についてご紹介します!
本展示で表現したコンセプトは、医用技術と分析技術の融合です。インタラクティブアートの要素を取り入れており、体験者の動きが大型モニターに反映されます。(※ 表示される情報はイメージです。実際に測定をしているものではありません。)
このたび、ドイツのデザイン賞「iF design award 2022」にも選出されました。当社グループとして初となる、展示物での受賞です。
中心となってプロジェクトを進めたSSLデザイン室の川合潤に話を聞きました。
海外デザイン賞の受賞に対するコメント
初めて日中共同で制作したコンテンツが賞を獲得したということで、彼の喜びもひとしおだったようです!
島津グループの社会貢献をお客様へお伝えする新しいグローバルコンテンツを日中共同で制作でき、大変嬉しく思います。島津のブランドに対する共感の輪を世界中に届けられることを願っています。
海外のデザイン賞を受賞できたことは、本社の総合デザインセンターやSSLのデザイン室をはじめとした関係者の尽力の賜物ですので、感謝したいです。
国内外混合チームでプロジェクトを推進
デザインのポイントは、科学技術を通じた社会貢献、特に、人の健康を支える取り組みをわかりやすく伝えることでした。これを実現するためのディレクションが重要だったといいます。
一般のお客様や異業種の方が多く来訪する展示会だったので、製品ユーザーでなくても会社のことを理解できる表現が必要だと感じていました。そこで、現地で流行していた体験型アートを表現に取り入れることにしました。
島津グループ初の体験型展示を制作するということで、グローバルな混合チームでプロジェクトに臨みました。私はデザインディレクターとして、メンバーの専門性を生かせるように努めました。結果として、それぞれの強みが発揮された島津独自のコンテンツが完成したと思います。
中国の時流をデザインに落とし込む
現地・中国の時流に乗れたことも、反響が大きかった要因のひとつだったようです。
当時の中国では、大型モニターに会社紹介映像を流す手法が多く見られましたが、SSLとしては他社が行っていない新しい展示方法による差別化を意識しました。
また、スマートフォンアプリの利用が非常に盛んなため、体験の際に来訪者のアプリを介してダイレクトに繋がる方式にしました。結果として多くの方に体験していただくことができたと思います。
この経験を通じて、現地の生活に対してアンテナを張り、最適な表現に落とし込むことの重要性を理解する良い機会となりました。
コミュニケーションデザインの可能性
今後の抱負として、顧客視点を取り入れたコミュニケーションデザインを活用していきたいと強調していました。
特に海外市場では、ブランドイメージの差別化が重要だと思います。いかに新しい技術を上手く取り入れて顧客に伝わるコンテンツを作るかが課題だと感じています。
このコミュニケーションデザインを実現するため、企画から実行までの各プロセスをデザイン視点で管理するデザインディレクションの役割が必要です。デザイン視点は、顧客視点とも言い換えることができます。
SSLでこの活動をしてきた中で、サイエンス(科学技術)×アート(芸術)にデザイン(顧客視点)の要素を融合させることで、複雑な事象を理解しやすい形に翻訳し、科学技術の魅力を広く伝達できることに気づきました。
島津グループには、このコミュニケーションデザインを活用できる余地がまだまだあるように思います。これらを探索し、より多くの方に当社グループの社会貢献を伝えることで、ブランド価値の向上を目指していきたいです。