8月3日は「はちみつの日」
蜂蜜の分析と生物多様性保護の取り組み
8月3日は、語呂合わせで「はちみつの日」とされています。1985年、全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会(現・日本養蜂協会)によって制定されました。
島津製作所グループと蜂蜜、そしてミツバチとの関わりについてご紹介します!
蜂蜜の安全管理と品質評価
蜂蜜は、ビタミンやミネラル、カルシウムといった豊富な栄養素を含み、食品だけでなく化粧品にも使用されています。安全管理や品質評価のため、蜂蜜には主に残留抗生物質、毒性、炭水化物、糖分、水溶性ビタミン、残留農薬の6種類の項目で分析が行われます。
養蜂場ではミツバチの病気を予防するために、抗生物質が使用されることがあります。それが蜂蜜に残留していると、人体にアレルギー反応を起こしたり、微生物の薬剤耐性を増長させたりする可能性があります。人々の健康と安全を守るため、多くの国でこれらの物質の最大残留基準(MRL)を定めて制限しています。
残留抗生物質の分析には、当社の超高速液体クロマトグラフ「Nexera シリーズ」や高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8050」などが用いられています。
また、糖分の分析においてはフーリエ変換赤外分光光度計が使われています。例えば、製造コスト削減のため安価なコーンシロップを添加された蜂蜜も、同製品を用いて複数の成分を定量的に分析することができます。
ミツバチの保護と生物多様性保全への取り組み
ミツバチは、野菜や果物の花粉を媒介するなど、私たちの日常生活においても重要な役割を持ちます。しかし、ミツバチにとって有害な農薬の使用や都市開発の影響で、その数は地球規模で減少しています。島津製作所グループの欧州地域統括会社・Shimadzu Europa GmbH(SEG)とドイツの販売会社・Shimadzu Deutschland GmbH (SDG)では、ミツバチや生物多様性の保護に取り組んでいます。
ドイツでは、ミツバチの巣やその周囲の環境保護のため、ミツバチが蜜を集めることができる牧草地を100m2にわたり整備しました。両社は持続可能な社会づくりの一環として、2020年から「beeswe.love」プロジェクトを支援しています。養蜂場および養蜂家とパートナーシップを結び、ミツバチの世話や生態の学習を行っています。
「beeswe.love」活動の様子
その「beeswe.love」の蜂蜜が、今年、ドイツのBaden Honey Award (BadischeHonigprämierung) で2つの金賞を受賞しました!純度やにおい、味、水分量の基準で厳しい検査・審査を経て、同プロジェクトの蜂蜜は最高スコアを獲得しました。
当社グループは、 社是「科学技術を通じて社会に貢献する」のもと、今後もさまざまな産業への貢献と、生物多様性の保全の取り組みを続けていきます。