2022.05.11

食品のにおいの評価に貢献するガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)

食品のにおいのイメージ

島津製作所の製品や技術がどのように役に立っているのか、身近な分野の中から一例をご紹介します。

今回のテーマは、食品のにおいとガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)です。GC-MSは当社の主力製品です。食品だけでなく、化学、製薬、法医学、環境測定といった分野でも利用されています。

 

においを評価する2つの方法

食品の美味しさを決める重要な要素のひとつ、におい。食品に含まれる多種多様な成分からなるにおい物質が複雑に混ざり合うことで、においが構成されます。その感じ方は人によって様々なため、においの評価には専門のトレーニングを受けた人(パネル)が実際ににおいを嗅いで評価する官能試験が欠かせないものです。

においを評価する別の方法として、におい物質自体の測定が挙げられます。食品メーカーや香料メーカーは、官能試験に加えて、客観的なデータを得るため、分析装置を利用しています。この測定における代表的な装置が、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)です。

GC-MSで微量なにおい物質を検出

GC-MSは、測定する試料に含まれる微量な有機化合物成分を測定できます。中でも感度に長けた当社のトリプル四重極型モデルは、1兆分の1の濃度レベルでの測定が可能です。これは25mプール(縦16m、横25m、高さ1.25m)に張った500,000リットルの水に、0.5mg(1gの2千分の1)の砂糖が溶けている水溶液の濃度に相当します。

トリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8050 NX」

トリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8050 NX」

 

当社は、GC-MSによるにおいの測定のため、専用システムや成分のデータベースを提供しています。今年1月に発売した「Smart Aroma Database」は、香りに関わる500以上の化合物のデータを収録しており、成分の有無や種類の測定をサポートします。

また、カビ臭や樹脂臭といった異臭の分析に特化した「異臭分析システム」も有しており、品質管理にも貢献します。

GC-MS開発担当者の声

開発を担当する、分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部 MSビジネスユニットの担当者の声をご紹介します。

従来のにおい分析では、「分析データとにおい成分を照らし合わせることが難しい」「見つけた成分群からにおいを特徴づけている成分を探し出す作業に手間がかかる」などといった課題がありました。

「Smart Aroma Database」は、においの中に含まれる複数の成分から、香気を特徴づける特定の成分を簡単に検出するものです。香気成分を高精度に自動検出するとともに、「どのようなにおいか」といった嗅覚によるにおい情報からにおいを特徴づけている成分を検索する機能を備えており、香気分析の研究開発を加速させます。

ご好評いただいている「異臭分析システム」と併せて、GC-MSによる“におい分析”をトータルでサポートし、食品・飲料・香料・工業材料メーカーの研究開発や品質評価・管理の効率化に貢献していきます。

「Smart Aroma Database」のプレスリリースはこちら

 

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