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2022年1月26日 | プレスリリース においに関する開発・評価の効率化を強力にサポート
GC-MS向け香気分析用ソフトウェアを発売

島津製作所は、1月26日にガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)による香気*分析用ソフトウェア「Smart Aroma Database」を国内外で発売します。本ソフトウェアは、においの中に含まれる複数の成分から、香気を特徴づける特定の成分を簡単に検出するものです。香気成分を高精度に自動検出するとともに、「どのようなにおいか」といった嗅覚によるにおい情報で検出結果からにおいを特徴づけている成分を検索する機能も備えています。
* においに含まれる成分のうち、良いにおいを示す成分のこと。

近年、食や生活環境におけるにおいに対して社会的な意識が高まっており、食品・飲料・香料・工業材料メーカーでは「より良いにおいのする高付加価値製品」や「不快なにおいを取り除いた製品」の開発ニーズが生じています。例えば、「ホップのにおいを最大限に引き出したクラフトビール」や「においを抑えた包装材」などの商品開発が行われています。その際、主にガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を中心とした分析機器による香気分析を行い、科学的根拠に基づいた開発を行うニーズが増加しています。加えて、すでに香気分析を行っておられるメーカーでは、製品の高度化やライフサイクルの短命化に伴いより効率的な香気分析の手法を求められています。また、香気分析の経験が少ないメーカーでは、香気分析の簡便な手法を求められています。しかし、従来の香気分析では、「最適な分析条件の探索に時間がかかる」「分析データと香気成分を照らし合わせることが難しい」「見つけた成分群からにおいを特徴づけている成分を探し出す作業に手間がかかる」といった課題がありました。

本ソフトウェアには、報告事例の多い香気成分500成分以上のGC-MSの分析条件が登録されており、作業時間の短縮につながります。また、分析データと登録された香気成分とをソフトウェアが自動で高精度に照合するため、香気成分の検出を容易に行えます。さらに、検出された複数の香気成分について、あらかじめ登録されている嗅覚によるにおい情報(官能情報)を使うことで、においを特徴づけている重要な成分を簡便に見つけることができます。

当社は、これまでにもGC-MSによる異臭分析用ソフトウェア「異臭分析データベース」を開発・発売しています。本ソフトウェアを加えることで、GC-MSによるにおい分析をトータルでサポートし、食品・飲料・香料・工業材料メーカーの研究開発や品質評価・管理の効率化に貢献していきます。

新製品の特長

1. 香気成分を高精度に自動検出

データベースに登録されている香気成分の分析データとの類似度合いから、香気成分の検出の有無・種類をソフトウェアが自動で判断します。従来の手法に比べ、分析データを目視で照合する必要が無くなり、解析の省力化を図ることができるとともに、検出結果の精度向上を実現します。

2. においを特徴づける重要な成分を簡単に発見

検出された複数の香気成分から、あらかじめ登録されている官能情報とにおいの強度を用いて、においを特徴づけている成分の絞り込みが可能です。さらに、絞りこんだ香気成分について、データベースによりSIMやMRM分析といった高感度分析が簡便に行えます。

3. 多様なシステムに対応

香気分析では、サンプルの形態や濃度に応じて様々な前処理方法が用いられるため、本ソフトウェアは、様々な前処理装置とGC-MSの組み合わせに対応しています。さらに、香気分析で使用例の多い、におい嗅ぎGC-MSとも組み合わせて使用できるため、実際に検出されたにおいを嗅いで確認することも可能です。

 

「Smart Aroma Database」画面イメージ

「Smart Aroma Database」画面イメージ

 

ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8050 NX」

ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8050 NX」

名 称 Smart Aroma Database
価 格 70万円(税別)
目標販売台数 発売後1年間で国内外合わせて50本

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