2022.04.18

2022年に発売50周年、綺麗な水や環境を守るTOC計

水道水のイメージ

今年2022年は、島津製作所が全有機体炭素計(TOC計)の販売を開始してから50年という節目の年です。当社にとって最初のTOC計発売は1972年のことでした。

以降、水質検査などに欠かせない装置として広く利用されています。今回は、TOC計についてご紹介します。

 

TOC計とは?

TOC計を利用すると、水に含まれた有機物の量がわかります。水中の有機物量は、水の汚染度の指標となります。

TOC計は、有機物を構成する炭素の総量(Total Organic Carbon)を測定しています。この炭素の量から、有機物の量を算出する仕組みです。

当社は、ラボで使用するモデルと、水質の連続監視に長けたオンラインモデル、双方を提供しています。特にラボ用モデルは、世界トップクラスのシェアを有しています。 

ラボ用全有機体炭素計「TOC-Lシリーズ」

ラボ用全有機体炭素計「TOC-Lシリーズ」

TOC計が活躍する分野

水質の測定に役立つTOC計は、例として次のような分野・業界で使用されます。私たちが口にする水や環境を守るのに貢献します。

分野・業界 測定するサンプルの例
上下水道 水道水、浄水処理された水
環境 海、河川、土壌
製薬 高純度な純水、洗浄水
半導体 洗浄用の超純水
製造全般 工場排水、洗浄液、めっき液

TOC計開発担当者の声

TOC計を開発する、分析計測事業部 環境ビジネスユニットの担当者の声をご紹介します。

1972年、水の汚染度を示す新しい装置として、水質連続自動観測機「TOC-100」、および
実験室用の全有機体炭素計「TOC-10」を開発・販売したのが、当社TOC計の始まりです。

その後、自動試料注入機構の採用、固体試料や揮発性有機体炭素(POC)、全窒素(TN)
測定が行える機能を追加し、グローバルなトップブランドの地位を確立しました。

当社TOC計の用途は、初期には環境水や産業排水など水質保全が主体でしたが、その後性能向上に合わせて用途が拡大し、現在は純水や超純水の管理、水道水の水質基準、医薬品製造管理/評価、カーボンニュートラルの研究等で幅広く活躍しています。

50年の歴史で培った技術を継承し、今後も世界の水質測定分野で貢献していきます。

カーボンニュートラルの分野においては、CO2を吸収する特殊なコンクリート素材の研究開発にも使用されています。コンクリートが吸収したCO2の量をTOCで評価できます。

水道水との関係や、当社における歴史については「TOCアカデミー」で詳しくご紹介しています。

TOC計発売50周年 「TOCアカデミー」はこちら

 

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