島津評論 Vol.83[1・2](2026)
特集 インダストリー検査技術

特集論文

CAD モデルを用いたX 線マイクロCT 向け金属アーチファクト低減法の開発

森本 直樹1 陳 澤政2 小林 哲哉3 小島 佳奈4 高橋 亮5 欅 泰行4

島津評論 83〔1・2〕 59~64 (2026)

要旨

近年,樹脂金属複合部品の非破壊検査ニーズが高まっており,産業用X 線マイクロCT の利用が拡大しているが,再構成画像に発生する金属アーチファクト(金属の近傍に発生する実在しない筋や濃淡)が大きな課題となっている。そこで著者らは,被写体のCAD(Computer Aided Design)モデルを先験情報として利用した金属アーチファクト低減法を開発した。この手法では,金属アーチファクトの主要因である線質硬化,散乱線などの影響を打ち消すために,CAD モデルを用いてシミュレーションした仮想投影像と実測投影像との差を計算することを特徴とする。ファントムや電動コイルなどの撮像データで検証して,従来法と比較して濃淡が低減されて視認性が大きく改善することを確認した。またボイド検出における偽陽性率も大きく改善され,提案法の有効性と実用性が確認された。


1基盤技術研究所先端分析ユニット 博士(工学)
2基盤技術研究所先端分析ユニット
3基盤技術研究所AI ソリューションユニット 博士(工学)
4分析計測事業部NDI ビジネスユニット
5分析計測事業部技術部

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。