特集論文
骨の健康:骨粗しょう症の予防と早期発見の仕組みの構築を目指す産学連携
島津評論 82〔3・4〕 173~180 (2025)
要旨
島津製作所は慈恵大学と包括連携を締結し,東京慈恵会医科大学と骨粗しょう症対策を目的として,質量分析技術と医用画像診断技術を融合した研究開発を推進している。液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)により,ビタミンD 代謝物を自動的かつ高精度に定量し,東京都内で健康診断を受けた5518人を調査した結果,98%の受診者がビタミンD 欠乏であることが明らかとなった。また,AI 技術「Smart QMTM」により,X 線画像から胸椎・腰椎の骨形態を即時に認識し,椎体骨折の評価を容易に行えるようになった。これら技術を組み合わせた新たな「骨ドック」の概念実証では,骨粗しょう症の早期発見と生活習慣改善への意識向上に有望な結果が得られている。今後も骨の健康に関する健康管理から診断,予後管理までを包括的に捉え,骨折予防と健康寿命延伸に資する技術開発を推進していく。
ヘルスケア事業戦略ユニット
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。


