特集論文
複合臭評価を可能にする香気分析システム「アロマデザイナーTM」の共同開発
島津評論 82〔3・4〕 155~162 (2025)
要旨
香気は多数の揮発性成分から構成され,各成分が全体の香りにどのように寄与するかを評価することは容易でない。従来の複合臭評価で用いられてきたオミッション法は,全成分の同定や標準試料の準備,数百成分の混合作業を要し,実務上の負担が大きい。本課題に対し,島津製作所と岩手大学は,標準試料を用いずにオミッション法による評価を可能にする香気分析システム「アロマデザイナー」を共同開発した。アロマデザイナーはスイッチングユニットを搭載したガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)と香気回収装置FAS-2から構成される。特定成分のみを質量分析計(MS)に送って除外し,残りの成分をFAS-2に接続したサンプルバッグに回収することで,簡便にオミッション法によるにおいの評価を行うことができる。応用例として,ライム精油に対して画分入れ替えおよびオミッション法による評価を行い,テルピネオール類がライム特有香の主要寄与成分であることを示した。本システムは複合臭評価を大幅に効率化し,香料開発や食品香気評価などへの応用が期待される
1分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部MS ビジネス ユニット 博士(工学)
2分析計測事業部GC・TA ビジネスユニット
3分析計測事業部Solutions COE グリーンソリューション ユニット
4岩手大学農学部 博士(農学)
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。


