島津評論 Vol.82[1・2](2025)
創業150周年記念特集 社会に貢献する科学技術

特集論文

<グリーン分野展望>
環境保全から脱炭素社会・バイオものづくりへの取り組みまで

宮川 治彦

島津評論 82〔1・2〕 85~94 (2025)

要旨

島津製作所は,気候変動への対応として,脱炭素社会の実現に資する分析計測技術の開発を推進している。特に,CO2の資源化を目指したバイオものづくり分野では,非可食バイオマスを原料とするバイオエタノールや,微生物によ
る直接的なポリマー合成技術など,多様な研究開発が取り組まれている。これらのプロセスを支える分析装置として,高速液体クロマトグラフやガスクロマトグラフが活用され,効率的なモニタリングと品質管理が行われている。また,
神戸に新設されたバイオものづくり事業所では,AI とロボティクスを活用したスマートファウンドリを構築し,開発サイクルの高速化と実用化の加速を図っている。さらに,国内外の企業や研究機関との連携により,新技術の創出と
社会実装を推進しており,政策支援の下で国際的な炭素循環モデルの構築も視野に入れている。


分析計測事業部

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。