特集論文
<特別寄稿>
島津製作所の刊行した科学技術雑誌の系譜と意義
─『理化学的工芸雑誌』『サイエンス』から『島津評論』へ─
島津製作所の刊行した科学技術雑誌の系譜と意義
─『理化学的工芸雑誌』『サイエンス』から『島津評論』へ─
島津評論 82〔1・2〕 3~8 (2025)
要旨
島津製作所は創業期より,科学・技術の普及と製品紹介を目的とした雑誌を発刊してきた。本稿では,まず,1886年創刊の『理化学的工芸雑誌』と1911年創刊の『サイエンス』について,両誌が社内外で果たした役割を考察する。前者は伝統産業の近代化や科学・技術の知識の啓蒙に寄与し,後者は産・学の結びつきを通じて得た最先端の知見を教育界や産業界と共有し,実学教育や産業の発展に広く貢献した。また,1940年創刊の『島津評論』がこうした流れを受け継ぎ,現在に至るまで企業の技術情報発信の基盤として展開してきた過程についても検討する。
総務部ミュージアム共創グループ(創業記念資料館) 博士(社会学)
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。