島津評論 Vol.81[3・4](2024)
特集 食で実現する人と地球の健康と持続可能な食農産業

特集論文

AI アルゴリズムによるグラジエント条件の自動最適化
─食品中機能性成分の一斉分析LC メソッド開発への適用─

藤崎 真一寺田英敏小林まなみ

島津評論 81〔3・4〕 225~230 (2024)

要旨

LC メソッド開発におけるグラジエント条件の最適化過程では,「条件検討のための膨大な分析スケジュール作成」や,「取得したデータの解析」といった作業を繰り返す必要がある。分析者にとっては,繰り返しの分析スケジュールの作成には膨大な時間を要するだけでなく,得られたデータの解析結果に基づき分離を最適化する過程では,クロマトグラフィーに対する知見も要求される。すなわち,条件の最適化には人為的な介入が不可欠であるため,一連のワークフローの自動化による作業の省力化が望まれている。そこで著者らは,グラジエント条件の自動最適化を実現するAIアルゴリズムを搭載した分析法開発支援ソフトウェアLabSolutions™ MD を開発した。本稿では,LabSolutions MD を用いて食品中機能性成分に対するグラジエント条件を自動最適化した事例を報告するとともに,最適化したメソッドを茶葉分析へ応用し,茶種や品種間の比較を実施した結果についても紹介する。


分析計測事業部Solutions COE

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。