島津評論 Vol.81[3・4](2024)
特集 食で実現する人と地球の健康と持続可能な食農産業

特集論文

核酸用マイクロチップ電気泳動システムMultiNATM Ⅱ MCE-301の開発とその応用

二戸 郁賀1松本 博幸2荻野 康太2荒井 昭博2原田 亨2西田 大悟2村松 晃2浦山 翔太2前島 希3曽我部 有司3小林 慎一郎3熊谷 英郷2

島津評論 81〔3・4〕 215~224 (2024)

要旨

マイクロチップ電気泳動システム「MultiNA Ⅱ MCE-301」は,手作業で2時間以上かかる核酸電気泳動の全工程を自動化することで,遺伝子解析業務を効率化したシステムである。従来機(MCE-202 MultiNA)の低いランニングコストと高いスループットという特長を生かしつつ,MultiNA Ⅱでは,さらなる操作性の向上と新たな解析機能が追加された。新機能としてRNA の劣化指標算出やフィンガープリンティング解析,グルーピング解析が導入された。特にフィンガープリンティング解析機能は,食品偽装の調査で行われるPCR(Polymerase Chain Reaction)やRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)といった手法を用いる場合に解析を強力にサポートする。本稿ではMultiNA II の構成や特長,応用分析例を紹介する。


1分析計測事業部ダイアグノスティクス統括部 臨床・微生物検査ビジネスユニット 博士(工学)
2分析計測事業部ダイアグノスティクス統括部 臨床・微生物検査ビジネスユニット
3分析計測事業部Solutions COE ヘルスケアソリューションユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。