特集論文
農作物中機能性成分の解析手法の開発
島津評論 81〔3・4〕 109~114 (2024)
要旨
国内外における生活習慣病の増加,高齢化社会などの社会課題が取り巻く現代において,健康に良い食はきわめて有望な市場とされている。そして,日本各地の農業現場においても「競争力強化のため,健康維持・増進に役立つ農林水産物・食品を開発したい」という動きが強まってきており,国も地方創生における農業・食品産業を振興し,今後輸出拡大を目指す動きがでてきている。これらの社会背景を踏まえ,島津製作所と国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は“食を通じた社会貢献とイノベーション創出” を目的とした連携・協働を推進してきた。本稿では,農作物中の機能性成分の探索と半定量を可能とする手法を開発したので報告する。本分析手法の活用により,機能性に富む農作物の育種や栽培の促進,機能性食品市場の発展が期待される。
1分析計測事業部Solutions COE ヘルスケアソリューションユニット(工学博士)
2分析計測事業部Solutions COE ヘルスケアソリューションユニット(バイオサイエンス博士)
3国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 高度分析研究センター(農学博士)
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。