特集論文
食による健康長寿社会の実現
島津評論 81〔3・4〕 103~108 (2024)
要旨
人生100年時代における健康維持には,医療だけでなく,食事,運動,睡眠といった生活習慣が重要であり,特に食事のバランスが健康に与える影響が注目されている。
島津製作所は,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と共同で「食」の機能性成分解析に取り組んできた。2022年には,個々のライフスタイルや健康状態に応じた最適な栄養摂取を提案する“パーソナライズドニュートリション(個別化栄養)” の概念を実現するため,セルフケアフード協議会を起ち上げた。日本人に不足しがちな栄養成分に関する科学的エビデンスに基づくG-Plus 食品の認証制度を構築し,食品の開発と普及を進めている。また,高齢化社会における軽度認知障害のリスク低減を目指す江別市の取り組み「江別いきいき未来スタディ」に参画し,食と認知機能の関連性研究にも取り組んでいる。
島津製作所と農研機構は,科学的エビデンスに基づいた機器や食品の開発および,社会課題を解決する仕組み作りやデータ蓄積への貢献を通じて,食による健康長寿社会の実現を目指していく。
1営業本部グローバル共創営業戦略室産学官連携推進ユニット
2国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 博士(農学)
3一般社団法人セルフケアフード協議会
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。