島津評論 Vol.81[1・2](2024)
特集 持続可能な社会と先端技術

特集論文

マイクロプラスチック自動前処理装置MAP-100

池澤由雄

島津評論 81〔1・2〕 51~54 (2024)

要旨

一般的にマイクロプラスチック(MPs)とは,粒径1 μm~5 mm のプラスチックを指し,これらが環境へ漏出することで海洋環境の汚染や生態系に及ぼす影響が懸念されている。MPs の定性および定量評価に使用される代表的な機器分析法としては,フーリエ変換赤外分光光度法(FTIR),ラマン分光光度法,熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法(熱分解-GC/MS 法)などがある。特に,環境試料中(水・土壌・大気など)に存在するMPs の実態調査においては,対象となる環境試料からMPs のみを取り出すための前処理が重要となる。本稿では,環境省が発行した「河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン」の前処理手法に準拠して開発したマイクロプラスチック自動前処理装置MAP-100の概要と実際の河川試料に適用した事例を報告する。


分析計測事業部環境ビジネスユニット

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