特集論文
GC 用触媒マイクロリアクターJetanizerTM を用いたCO,CO2の分析とGX 領域への応用
島津評論 81〔1・2〕 11~20 (2024)
要旨
グリーントランスフォーメーション(GX)領域では,カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)に向けた水素やバイオ燃料などの新エネルギーへのシフトや,二酸化炭素(CO2)の回収や活用の研究が進んでおり,これらの成分を評価・分析するためのガスクロマトグラフ(GC)の需要が増加している。GX 領域における新技術の研究では,測定対象成分に応じた複数の検出器が用いられ,GC システムの装置構成が複雑になる傾向がある。また,無機ガス類の高感度分析に使用される専用の検出器では,供給が不安定かつ高価なヘリウムガスが必要という課題もあった。
Jetanizer は,汎用的なGC 検出器である水素炎イオン化検出器(FID)では原理的に感度が得られないCO2などの成分に対し,メタン(CH4)化などの化学反応を実現する小型の触媒反応器である。本稿では,CO,CO2,CH4を分析しJetanizer の性能評価した結果と応用分析例を紹介する。
1分析計測事業部Solutions COE グリーンソリューションユニット
2分析計測事業部GC・TA ビジネスユニット
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。