島津評論 Vol.80[3・4](2023)
特集 ダイアグノスティクス

特集論文

細胞事業における安全性試験試薬関連技術の開発

柳田 梨紗1寺本 朱里1小竹 ひとみ1菓子田 充明1益子 侑里1富永 桂2猪井 俊敬1奥 裕一3

島津評論 80〔3・4〕 147~154 (2023)

要旨

再生医療では体外で培養された細胞を用いた治療が行われることから,投与する製品の安全性を確保するために微生物やウイルスの汚染を否定する必要がある。しかし,従来の医薬品とは異なり,長期間の保存が困難な製品もあるため短期間で結果が得られる迅速な試験法が求められている。このような背景から,著者らは迅速性に優れた核酸増幅法(NAT: Nucleic Acid Amplification Test)を用いた Myco Finder と VirFinder という2種の安全性試験試薬を上市し,新たに1種の開発を進めている。本稿ではこれらの安全性試験試薬について,その特徴と使用方法および性能評価結果について紹介する。


1島津ダイアグノスティクス株式会社
2島津ダイアグノスティクス株式会社 博士(薬学)
3島津ダイアグノスティクス株式会社 博士(医学)

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。