島津評論 Vol.80[3・4](2023)
特集 ダイアグノスティクス

特集論文

核酸抽出システムEluNATMを用いた新規RNA/DNA抽出キットの開発

藤原勢矢

島津評論 80〔3・4〕 125~130 (2023)

要旨

近年,著しい進歩がみられる遺伝子検査・解析技術の前処理工程である核酸抽出は,手作業による煩雑な分注操作が必要な用手法キット,もしくは大掛かりな自動化装置が必要であることから,簡便な診断としての普及に至っていないのが現状である。
これまで著者らは,疎水性ゲルによる試薬の分画・固定とシリカ磁性体粒子を用いた手段により,習熟を必要とせず,迅速かつ簡便に核酸抽出・精製が可能なEluNAシステムを開発し,ヒト全血からDNAを抽出可能な試薬キットを上市している。本稿では,EluNAシステムの適用拡大を目指し,生体由来試料中のウイルスや培養細胞からRNA/ DNAを抽出可能な試薬キットを新たに開発したので報告する。


基盤技術研究所 バイオ・ケミカルユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。