特集論文
TOF-PET装置 BresTomeTMの臨床評価
島津評論 80〔1・2〕 17~22 (2023)
要旨
頭部と乳房に特化することで,被写体内の放射性薬剤分布を高精細に描出することが期待されるTOF(Time of Flight)-PET (Positron Emission Tomography) 装置 BresTome の臨床性能を評価するために,近畿大学高度先端総合医療センターにてプロトタイプ機を用いた臨床研究を実施した。小型検出器および小開口径で構成されるスキャナは,高空間分解能をはじめとする高い物理学的性能を有していることが確認された。外部被ばくのない吸収補正アルゴリズムは,頭部を模擬した不均一吸収体の分布を描出し,実効的な補正精度を有していることが示唆された。頭部臨床評価においては,従来型全身PETでは分離が困難であった薬剤分布構造を明瞭に描出し,脳疾患の診断精度の向上に寄与する可能性があることが示唆された。
1医用機器事業部 技術部 博士(工学)
2医用機器事業部 技術部
3基盤技術研究所 AIソリューションユニット 博士(工学)
4近畿大学高度先端総合医療センター 博士(医学)
5近畿大学高度先端総合医療センター 博士(保健学)
6近畿大学高度先端総合医療センター 博士(工学)
7近畿大学医学部 放射線医学教室放射線診断学部門 博士(医学)
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。