島津評論 Vol.78[3・4](2021)
特集 先端技術開発

特集論文

最先端免疫治療における抗体医薬分析技術の実用化

嶋田 崇史1岩本 典子2

島津評論 78〔3・4〕 203~212 (2021)

要旨

抗体医薬は自己免疫疾患や感染症,癌などに対する治療薬が大部分を占め,1990年代のリツキシマブ,インフリキシマブ,トラスツズマブ開発に端を発し,これまで多数の疾患に対し,その治療に多大な貢献をしてきた。現在,米国食品医薬品局は100品目を超える生物学的製剤を承認し,さらに,900品目以上がすでに治験中である。このように,急速に拡大する巨大な抗体医薬領域に貢献できる技術の一つとして,生体試料中のモノクローナル抗体を正確に計測する技術は,その臨床開発や治療で重要な役割を担う。医薬品開発ステージにおける動態挙動の正確な把握や,循環中や腫瘍組織中のモニタリングによる投与量調整や薬効評価に欠かせない技術となり得る。この抗体医薬に対し,著者らは,その多様性に依存せず,独自の抗体医薬分析技術を開発し,これまで癌や自己免疫疾患領域に応用してきた。本稿では,最先端免疫治療における抗体分析技術の適用について報告する。


1Shimadzu Scientific instruments, Inc., Washington, U.S.A. 博士(学術)
2Shimadzu Scientific instruments, Inc., Washington, U.S.A. 博士(医学)

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。