島津評論 Vol.78[1・2](2021)
特集 産業機器

特集論文

計測CT システムによる寸法測定における位置合わせ精度の向上

藤本 弘之1大西 修平2

島津評論 78〔1・2〕 110~117 (2021.9)

要旨

工業製品の形状がますます複雑化する中,産業用X線CT 装置を用いた三次元座標計測に関心が高まってきている。この計測用CT システムは,一般的な接触式のCMM(Coordinate Measuring Machine)と異なり,一度の測定で大量の点群データを得ることができ,物を透過するX 線の特性により物体内部の測定も可能である。著者らは,計測用CT システムを用いて測定する際の位置合わせ精度の向上について研究を行った。製品の検証を行う際には,CAD 設計値とCT 撮影データの相互の偏差計測を精度良く行う必要がある。さらに,相互の偏差計測を精度良く行うためには,設計値とCT データを最も良く位置合わせする必要がある。著者らは,接触式三次元測定機と精度の良い球を組み合わせた位置合わせが有効であることを明らかにし,球と測定ワークの関係づけ方と測定手順の提案を行った。


1分析計測事業部NDI ビジネスユニット理学博士
2分析計測事業部NDI ビジネスユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。