島津評論 Vol.77[3・4](2020)
特集 食の安全と食による健康

普通論文

歯車ポンプ騒音の聴感改善を目的とした騒音評価手法

古株拓弥1

島津評論 77〔3・4〕 175~180 (2021.3)

要旨

島津製作所の外接歯車ポンプは主にフォークリフトの油圧源として使用されている。近年,フォークリフト市場ではバッテリー式フォークリフトの割合が高まっており,油圧源である歯車ポンプには,よりいっそうの低騒音が求められ,島津製作所では既存の低騒音歯車ギヤポンプのさらなる改良に取り組んでいる。しかし,従来の歯車ポンプの騒音指標である音圧レベルによる評価が人の感覚による評価と一致しないため,歯車ポンプの騒音を聴感にもとづいて評価することができず,市場のニーズと合致していなかった。本稿では,この問題を解決するために採用した音質評価指標について説明し,あわせてこの指標を活用して開発した低騒音歯車ポンプSerenadeTM シリーズを紹介する。


1フルイディクス事業部技術部

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。