島津評論 Vol.76[3・4](2019)
特集 医用画像機器

特集論文

UT-Station™ と位置決め用治具による装置を問わない新たなトモシンセシス

宮島 隆大1山本 淳也1崎本 智則1西野 和義2武尾 和浩3伊佐 寿世3奥野 智晴3

島津評論 76〔3・4〕 67~72 (2020.3)

要旨

連続撮影した複数のX 線画像から断層画像を再構成するトモシンセシス撮影は,任意の高さの骨や組織の重なりを避けた画像を得ることができ,単純撮影では確認が難しい骨折線の観察が可能である。しかし,従来のトモシンセシス撮影は連続撮影に対応したFPD(Flat Panel Detector)と,高精度で撮像系を動作させる精密な機械制御機構が必要なため,使用できる装置は限られていた。そこで,トモシンセシス撮影を広く普及させるために,連続撮影可能なFPD と精密な機械制御機構を有さないX 線装置でもトモシンセシス撮影が可能な手法「ユニバーサルトモシンセシス」を開発した。ユニバーサルトモシンセシスでは,X 線撮影装置に,撮像系のアライメントを推定する専用の位置決め用治具UT-ファントムと,断層像作成を行う専用ソフトウェア UT-Station を組み合わせることで,トモシンセシス撮影が可能になる。


1医用機器事業部 技術部
2医用機器事業部 技術部 博士(理学)
3医用機器事業部 グローバルマーケティング部

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。