島津評論 Vol.75[3・4](2018)
特集 先端技術開発

特集論文

iPS 細胞の軟骨分化能予測アルゴリズムの開発

渡辺 真1佐藤 孝明2戸口田 淳也3,4

島津評論 75〔3・4〕 167~171 (2019.3)

要旨

人工多能性幹細胞(iPS 細胞: induced pluripotent stem cell)は,再生医療,疾患の治療法開発などにおいて大きな期待が集まっている。iPS 細胞はさまざまな細胞に分化することができるが,その分化能は細胞株によって大きく異なることが問題点の一つとして挙げられる。
著者らの研究グループでは,神経堤細胞(NC 細胞)を介した軟骨分化誘導法を採用しているが,iPS 細胞株によってNC 細胞への分化能が異なることもわかっている。故に,iPS 細胞からNC 細胞への分化誘導が軟骨分化でのキーポイントの一つとなる。
著者らは,iPS 細胞中の遺伝子発現プロファイルによって,各細胞株のNC 細胞への分化能を事前に予測し,選別するためのアルゴリズムを開発した。さらには,このアルゴリズムをさまざまな細胞株に対して適用し,その汎用性と分化能予測システムとしての有用性も実証した。


1基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所 博士(理学)
2基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所 医学博士
3京都大学 iPS 細胞研究所 増殖分化機構研究部門 副所長(教授)医学博士
4京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 再生組織構築研究部門 組織再生応用分野(教授)医学博士

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。