特集論文
Multispectral Incoherent Holography(MIHO)による蛍光マルチスペクトルイメージング
島津評論 75〔3・4〕 137~146 (2019.3)
要旨
測定対象物の光学情報と三次元形態情報の同時計測が可能となる,フーリエ分光法とインコヒーレントホログラフィーを組み合わせたMultispectral incoherent holography(MIHO)の開発を行っている。日々進歩している蛍光計測分野における,マルチスペクトル三次元蛍光イメージングの計測手法としてMIHO を提案し,従来の計測方法とは異なるアプローチで,簡便なライブイメージング計測が可能な装置の開発を目指している。著者らは,提案する計測技術に関し,レーザーダイオード光源を測定対象とした検証実験を行い,さらに,インコヒーレント光源である蛍光ビーズの分光イメージングの取得を確認した。この技術は,従来の光学フィルタや回折格子による分光手法ではなく,また共焦点レーザー顕微鏡に用いられるガルバノミラー等による面内スキャンやステージ移動による奥行方向の合焦の必要がないため,マルチスペクトルの三次元イメージングが簡便に取得でき,今後の医療や新薬の開発に大きく貢献できると期待される。
1基盤技術研究所 光技術ユニット
2基盤技術研究所 光技術ユニット 博士(工学)
3岩手大学 理工学部 システム創成工学科知能・メディア情報 コース 工学博士
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。