島津評論 Vol.75[1・2](2018)
特集 環境・エネルギー

特集論文

TOCとTGによる微細藻類バイオマスの分析

池澤 由雄1

島津評論 75〔1・2〕 33~39 (2018.9)

要旨

化石燃料の利用による地球温暖化が問題視されるようになり,代替エネルギーとしてさまざまなエネルギー源の活用が模索され,微細藻類バイオマスもその一つの対象として多くの研究がなされてきた。微細藻類にはさまざまな種類があるが,その中でもエネルギー源の油分を生成する種類がターゲットにされ,その研究にはさまざまな分析機器が使用される。微細藻類は培養条件により挙動の異なる成長を遂げるが,その含有有機炭素量や無機炭素量の変動を把握することが必要とされる。この炭素成分を測定する際に,全有機体炭素計が活用できる。また,固体試料燃焼装置を使用すれば湿潤態の微細藻類を直接測定でき,かつ熱分析装置を併用することで乾燥態の微細藻類中の炭素量を簡単に評価できることが分かった。今回,3種類の微細藻類を用いた測定事例を紹介する。


1分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。