島津評論 Vol.74[3・4](2017)
特集 センサ・デバイス

特集論文

LIBS技術を用いた微量金属不純物モニタの開発

伊藤 喜直1大野 隆1Rakesh Bhandari2山口 英志3井原 正博4

島津評論 74〔3・4〕 177~183 (2018.3)

要旨

「レーザ誘起ブレークダウン分光法」(LIBS:Laser Induced Breakdown Spectroscopy)を用いた半導体製造プロセス向けの微量金属不純物モニタの開発と製品化を行った。
本装置は,半導体製造プロセスにおいて,ウエハー表面に付着した異物や金属を取り除くために行われる洗浄工程で使用する洗浄液中の微量な金属元素を検知し,その含有濃度を測定することができる装置である。本装置を使用して洗浄工程の洗浄液中に含まれる金属濃度をモニタし洗浄液を使用限界まで使用することは,洗浄液の使用量とその交換頻度低減を実現でき,さらに洗浄液の交換時期が予測できるためプロセスを制御することも可能である。洗浄液の使用量低減は廃棄量低減につながり,環境負荷低減に貢献するものである。
本稿では,本装置の開発の背景,装置の概要と構成,金属検知例,今後の展開について報告する。


1デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット
2デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット 博士(工学)
3デバイス部
4基盤技術研究所 光技術ユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。