特集論文
樹脂識別装置IRPF™-100 の開発
島津評論 74〔3・4〕 171~175 (2018.3)
要旨
近年,限りある資源の有効活用や地球温暖化などの環境問題の高まりから,資源・エネルギーを持続可能に生産・消費する社会の実現が求められている。そのため都市鉱山とも呼ばれる使用済み製品に含まれる資源の有効活用が期待されている。
化石燃料由来のプラスチックにおいては,より高度なマテリアルリサイクルを実現するために使用済み製品から回収した混合プラスチックを種類別に高純度に選別回収する必要があり,その色の違いや濃淡の影響を受けないプラスチック種の識別技術が望まれている。
著者らは上記課題に対し,中赤外分光技術を適用して黒色を含む全ての色のプラスチック種を非接触で高精度に識別する技術の開発に成功した。
本稿ではこの高精度識別技術と,本技術を適用して開発した樹脂識別装置IRPF™-100について説明する。
1デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット
2基盤技術研究所 光技術ユニット
*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。