島津評論 Vol.74[3・4](2017)
特集 センサ・デバイス

特集論文

大口径Si(Li) センサの開発

山田 実1

島津評論 74〔3・4〕 135~142 (2018.3)

要旨

島津製作所ではエネルギー分散型蛍光X 線分析装置用のSi(Li)(シリコンリチウム)センサの開発技術を応用し,大口径のSi(Li) センサの開発を進めている。
その開発に必要な技術として4インチSi ウエハーにLi ドリフトを行い良好な結果を得ることに成功した。またセンサの大型化と動作温度の高温化に対応するためリーク電流の低減にも着手し,センサのリーク電流を従来のものと比較して10000分の1まで低減することに成功した。
また,センサの用途として国際的なプロジェクトである宇宙線の中の反物質測定について紹介する。大型化・高感度化が進む宇宙線の観測には大口径Si(Li) センサが必要であり,これまで培ったセンサ開発・製造技術を活かした島津製作所のセンサに期待が寄せられている。


1デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。