島津評論 Vol.74[1・2](2017)
特集 ヘルスケア

特集論文

近赤外光カメラシステム
LIGHTVISIONによるICG蛍光イメージング

妻鳥 紘之1増田 善紀2宇田川 晴英2山口 俊平2宇野 晴雄2北本 博之2石川 亮宏2井上 芳浩2

島津評論 74〔1・2〕 63~71 (2017.9)

要旨

島津製作所では2016年8月に近赤外光カメラシステムLIGHTVISIONを発売した。蛍光造影剤であるインドシアニングリーン(ICG)の蛍光を術中にイメージングする本装置は,高精細な画質に加え,直視下の可視画像とICG蛍光の近赤外画像,これら2つを重ね合わせた画像の3画面を同時に表示することができ,周囲組織と対比させながらICG蛍光を確認することができる。また手術室の照明をつけたままで撮影が行えるため,患部と撮影画像の比較を行うことができるなどの特徴がある。LIGHTVISIONにはイメージングの性能を高めるために,ICG蛍光を効率よく撮像する励起光,高精細で可視化する撮像方法,かつ高い視認性で重ね合わせ画像を作り出す技術が盛り込まれている。そこで本稿では,LIGHTVISIONによるICG蛍光イメージングについて,ICGの特性を踏まえながら,これらの技術を紹介する。


1医用機器事業部 技術部 博士(工学)
2医用機器事業部 技術部

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。