島津評論 Vol.73[3・4](2016)
特集 産業機器

特集論文

高速,小型ガラス繊維巻取機 AS型の開発

井上 雄飛1

島津評論 73〔3・4〕 137~144 (2017.3)

要旨

本稿では,ガラス繊維巻取機の概要と,高速度領域でも低振動かつ小型化を実現した設計について述べる。
ガラス繊維巻取機は溶融ガラスを繊維状に引き出し,高速で巻き取るガラス繊維の製造設備である。プラスチックの強化繊維として使われるガラス繊維のうち,電気ケーブル被覆断熱材用途では,極細のガラス繊維が要求される。また主な生産拠点であるロシアでは,製造する紡糸設備に合わせた小型のガラス繊維巻取機が必要で,8500min-1までの高速でも共振現象を起こさない設計をしなければならない。ロシア向け電気ケーブル被覆断熱材紡糸設備向けに特化して,スピンドル部とトラバース部の構造を再検討し,高速度領域でも低振動で小型のガラス繊維巻取機の開発を完了させたのでここに紹介する。


1島津メクテム株式会社

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。