特集論文
アリ型センサによる化学環境情報管理
~においセンサ開発の現状と展望~
~においセンサ開発の現状と展望~
島津評論 73〔1・2〕 41~48 (2016.9)
要旨
著者らが危機管理センサの規範モデルとするアリの「敵・味方識別嗅覚器」は,情報ネットワークを内蔵したセンサユニットである。その特徴は,本来大規模なストリームデータである化学環境情報をフィルタにかけ無意味なノイズや,当座の安全性を意味する常在情報を取り除くことで,新規なパターン変化に機敏に応じて,危険の兆しに注意を向けさせる機能性にある。科学技術イノベーションの観点からは,アリに学ぶ新規な計測技術の創出が,将来的に,異常気象や環境汚染,火山噴火などの災害や事故の化学的予兆検出といった危機管理や環境保全に活用できると期待される。
1神戸大学大学院 理学研究科 理学博士
2神戸大学大学院 理学研究科
3分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター
※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。