島津評論 Vol.73[1・2](2016)
特集 バイオミメティクス

特集論文

マイクロフォーカスX線CTによる昆虫および魚類の構造観察

櫛引 敬嗣1枝廣 雅美2野村 周平3中瀬 悠太4篠原 現人5

島津評論 73〔1・2〕 9~20 (2016.9)

要旨

近年,ナノテクノロジーの飛躍的な発展により,バイオミメティクスを基にした技術開発やものづくりは更なる注目を集めている。中でもX線CTは非破壊で内部の構造を観察できるため,軟組織や光学顕微鏡での観察が難しいものの観察には特に有効である。本稿では,6種類の昆虫および魚類を例に,軟組織の構造観察事例(カブトムシの飛翔筋,スズメバチ体内の寄生虫,カマキリ体内の寄生虫),内部骨格の観察事例(ピラニアの頭部),3Dプリンタでの造形事例(サメの鱗),および琥珀中の昆虫の観察事例(ハネカクシの一種)を紹介する。


1分析計測事業部 NDIビジネスユニット
2分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター
3国立科学博物館 動物研究部 博士(農学)
4国立科学博物館 動物研究部 博士(人間・環境学)
5国立科学博物館 動物研究部 博士(水産学)

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。