島津評論 Vol.72[3・4](2015)
特集 先端技術開発

特集論文

ナノ材料分級計測システムの開発

藤原 勢矢1堀池 重吉1小田 竜太郎2

島津評論 72〔3・4〕 165~171 (2016.3)

要旨

ナノテクノロジーによって様々な機能性をもつナノ材料が創生されており,今日では身近な製品にもナノ材料が利用されはじめている。ナノ材料の有用性が注目を集める一方で,安全性に関する懸念も出てきた。ナノ材料の毒性学的研究はまだ進みはじめたところであるが,欧州では予防原則にしたがって流通する製品に含まれるナノ材料の届け出制度を施行した国々もある。ナノスケールのサイズに起因する物理化学的特性を正しく評価するために,より優れたナノ材料の計測技術の確立が望まれている。本稿では,ナノ材料計測における分級の重要性をはじめに説明し,「ナノ材料の産業利用を支える計測ソリューション開発コンソーシアム(COMS-NANO)」に参画して島津製作所が開発したナノ材料分級計測システムについて説明する。


1基盤技術研究所 マイクロ・ナノシステムユニット
2分析計測事業部 技術部

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。