島津評論 Vol.72[3・4](2015)
特集 先端技術開発

特集論文

高速度ビデオカメラHyperVision HPV-X2の開発

廣瀨 竜太1徳岡 信行2川口 泰範2柄澤 朋宏1冨永 秀樹2

島津評論 72〔3・4〕 157~163 (2016.3)

要旨

CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサをベースとした高速撮像素子FTCMOS2(Frame Transfer CMOS)センサを搭載した高速度ビデオカメラHyperVision HPV-X2を開発した。HPV-X2は,従来機種の最大で1000万コマ/秒という撮影速度や記録コマ数,画素数などの基本性能を継承し,従来機種の約6倍の光感度を実現している。また,2台のカメラによる正確な同期撮影が行え,被写体の変化を2方向から同時に観察することができる。1000万コマ/秒という超高速な撮影速度で高感度な撮影が行えることによって,従来では観察することができなかった超高速現象を可視化することができるため,航空・宇宙機器や自動車,産業機器等の最先端の研究開発,医療分野の基礎研究などの幅広い分野で役立つことが期待される。本稿では,HPV-X2の概要と撮影例について報告する。


1基盤技術研究所 光デバイスユニット
2分析計測事業部 試験機ビジネスユニット

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。