島津評論 Vol.72[3・4](2015)
特集 先端技術開発

特集論文

高速応答ガスモニタEGR-chaserの開発

松田 直樹1大寺 文章2加藤 塁2田中 豊彦2森谷 直司1

島津評論 72〔3・4〕 127~134 (2016.3)

要旨

今後ますます燃費向上など環境性能への要求が高まる中,自動車内燃機関エンジン制御プログラムの更なる高度化が求められている。このエンジン制御の高度化技術として排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)が注目されている。このEGRでは,エンジン内部での燃焼状態をより正確に知ることが重要で,そのためには,エンジンの吸気における二酸化炭素(CO2)量と酸素(O2)量を正確かつ高速に計測する技術が不可欠である。
著者らが開発した高速応答ガスモニタ「EGR-chaser」は,応答性に優れた波長可変半導体レーザ吸収分光法と,その場所で直接計測可能な小型センサプローブを採用したことにより,インテークマニホールド内のCO2濃度とO2濃度を,10msの高い時間分解能で迅速に測定でき,更なるエンジン性能の向上への貢献が期待できる。


1基盤技術研究所 光デバイスユニット
2デバイス部 センサ・デバイスビジネスユニット

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