特集論文
ETBE分析用マルチカラムガスクロマトグラフの開発
島津評論 72〔3・4〕 117~126 (2016.3)
要旨
ガスクロマトグラフ(GC)の分離性能を向上させたマルチディメンジョナルGC(MDGC)や包括的2次元GC(GC×GC)の有効性が報告される一方,装置の大型化や操作の煩雑性が問題となっている。これらの分析装置を一般化し,より簡便に広範囲に用いるためには,小型化,省電力化が有効だと考えられる。著者らは,それらを実現するためMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたGC用ステンレスプレートカラムと平板ヒータとを組み合わせた小型のカラムカートリッジを構成し,複数の小型カラムカートリッジと,スイッチングデバイスを用いた小型のマルチカラムGCを開発した。応用例として,ガソリン中のエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)分析の検討を行った。
1基盤技術研究所 マイクロ・ナノシステムユニット
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