島津評論 Vol.72[3・4](2015)
特集 先端技術開発

特集論文

ながはま0次コホート研究への質量分析技術の応用とバイオマーカー探索

園村 和弘1堀 美久2佐藤 孝明3瀬籐 和也4川口 喬久4田原 康玄5松田 文彦6

島津評論 72〔3・4〕 101~108 (2016.3)

要旨

質量分析技術の大規模コホート研究への応用と,先制医療の実現を目指した高精度バイオマーカーの同定を目的として,ながはま0次コホートの血漿試料を用いたガスクロマトグラフィ質量分析(GC/MS)による親水性代謝物定量データの取得を進めてきた。これまでにのべ10000検体以上のデータを取得し,バイオマーカー同定に向けた統計解析を進めている。さらに,液体クロマトグラフィ質量分析(LC/MS)による脂質測定法を新たに開発し,コホート検体の分析に着手した。本稿では,ながはま0次コホート研究について概説するとともに,質量分析によるオミックスデータの取得について,現状と展望を述べる。


1基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所 博士(薬学)
2基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所
3基盤技術研究所 ライフサイエンス研究所 医学博士
4京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター
5京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター 博士(医学)
6京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター 医学博士

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