島津評論 Vol.72[3・4](2015)
特集 先端技術開発

特集論文

磁性体粒子と,ゲルによる試薬液の区画・固定手段を用いた新規核酸抽出法

大橋 鉄雄1

島津評論 72〔3・4〕 83~88 (2016.3)

要旨

著者らは,磁性体粒子を外部磁場でゲル中を通過させることにより,磁性体周囲の液置換が簡便,迅速,かつ効率よく行えることを見いだした。これを特定の化学成分を分離,精製する固相抽出法に適用し,生体試料からの核酸抽出(DNA抽出)を試みた。具体的には,樹脂キャピラリー内に疎水性ゲルを用いて複数の試薬液を区画・固定し,そのキャピラリー内でシリカ磁性体粒子を磁石で操作することにより,密封系でのヒト血液からのDNA抽出を実施した。


1基盤技術研究所マイクロ・ナノシステムユニット

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