島津評論 Vol.71[1・2](2014)
特集 センサ・デバイス

特集論文

高出力レーザ用QPM 波長変換デバイス“PPMgSLT”の開発

西 亮祐1井上 和哉1門倉 一智1久光 守2徳田 勝彦1

島津評論 71〔1・2〕 25~33 (2014.9)

要旨

緑色レーザの高出力化が求められる中,このレーザに利用される高出力に対応した第二次高調波発生(Second Harmonic Generation:SHG)用の波長変換デバイスの開発を行った。耐光性に優れたMgOドープSLT(定比組成タンタル酸リチウム結晶:Stoichiometric LiTaO3)基板を用いて擬似位相整合(Quasi Phase Matching:QPM)型の波長変換デバイスを作製し,その特性を評価した。作製したQPM波長変換デバイスは,均一な周期分極反転構造を有しており理想的な波長変換特性を示した。また,SHG出力5Wでの連続点灯試験においては,劣化のない安定した動作が確認された。さらに,高出力耐性の向上を目指して高排熱モジュールの導入と集光方法の最適化により,SHG出力15.1W(波長532nm)を達成した。著者らが開発したQPM波長変換デバイスは高出力SHG用のデバイスとして有用な性能を有することがわかった。


1デバイス部センサ・デバイスビジネスユニット

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。