島津評論 Vol.71[1・2](2014)
特集 センサ・デバイス

特集論文

外部共振器型短パルス半導体レーザの開発

坂本 隼規1門谷 章之1宇野 進吾1齊川 次郎2渡辺 一馬1東條 公資1山蔭 康弘1

島津評論 71〔1・2〕 17~24 (2014.9)

要旨

ファイバレーザのシードレーザとして最適な,外部共振器型短パルス半導体レーザ「BEAM IMPACT」シリーズを開発した。「BEAM IMPACT」は,レーザ素子と小型グレーティングにより外部共振器を構成しており,波長1µm帯におけるスペクトル幅は0.1nm(FWHM)以下,温度変化に対する波長変動は0.1nm以下と優れた安定性を有することを特長とする。光パルス幅が短いことを特長とする「HK-5630(短パルス型)」シリーズでは,レーザ素子としてスーパールミネッセントダイオードを使用し,300ps台の短い光パルス幅で0.5W以上のピークパワーを達成した。高出力を特長とする「HK-5636(高出力型)」シリーズでは,ファブリペロー型レーザダイオードを使用し,1W以上の大きなピークパワーを達成した。これらの特性より,本レーザが微細加工用ファイバレーザのシードレーザとして有用であることを確認した。


1デバイス部センサ・デバイスビジネスユニット
2デバイス部センサ・デバイスビジネスユニット博士(理学)

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。