島津評論 Vol.70[3・4](2013)
特集 ライフサイエンス

特集論文

イメージング質量顕微鏡iMScopeによるメタボローム解析

緒方 是嗣1松本 結実2山本 卓志2原田 高宏3竹下 建悟3池上 将弘3森永 浩子4梶原 茂樹4藤分 秀司5

島津評論 70〔3・4〕 99~108 (2014.3)

要旨

組織中の生体分子の分布情報を可視化するイメージング質量顕微鏡iMScopeは,従来よりも高解像度のイメージング画像を取得することができる新しいMALDI イメージングMS(IMS)のための装置である。著者らは,試作機をすでに製作し,基本性能の確認に加え実検体によるイメージングデータを報告している1)。本稿では,薬剤を投与したマウスと未投与マウスから摘出した臓器の凍結組織切片を,iMScopeによって分析, 比較することで,薬剤の未変化体,その代謝物の検出,および薬剤投与によって変動した内在性代謝物(バイ オマーカー候補化合物)検出の結果について報告する。iMScopeによる分析と専用ソフトウェアによる統計解析が新規のバイオマーカー候補の探索に有効であった。


1分析計測事業部 ライフサイエンス事業統括部 MS ビジネスユニット 博士(農学)
2分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター
3分析計測事業部 技術部
4基盤技術研究所 電子・イオンユニット
5分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター 農学博士

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