島津評論 Vol.69[3・4](2012)
特集 先端技術開発

特集論文

高速度ビデオカメラHyperVision HPV-Xの開発

近藤 泰志1田窪 健二2冨永 秀樹2廣瀬 竜太2徳岡 信行1川口 泰範1高家 幸弘1矢野 文彬3大源 知秀4尾崎 篤史5中谷 俊介5

島津評論 69〔3・4〕 285~291 (2013.3)

要旨

CMOSイメージセンサをベースとした高速撮像素子FTCMOS(Frame Transfer CMOS)センサを搭載した高速度ビデオカメラHyperVision HPV-Xを開発した。HPV-Xは,撮影速度による解像度の低下がないという従来機種からの特長を継承し,最高撮影速度1000万fps(コマ/秒)の超高速連続撮影を行うことができる。また,撮影速度優先モード(HPモード:Half Pixel)と解像度優先モード(FPモード:Full Pixel)の二種類の撮影モードによって,様々な実験条件に適した撮影が行える。1000万fpsの超高速撮影によって,従来では監察することができなかった瞬間的な現象を可視化し,様々な現象の過程を観察することができるため,物理現象の解明や新材料開発,宇宙技術開発,マイクロ加工開発など最先端の研究開発に役立つことが期待される。本稿では,HPV-Xの概要と撮影例について報告する。


1分析計測事業部 技術部
2基盤技術研究所 光デバイスユニット
3分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター
4株式会社島津総合分析試験センター
5島津エス・ディー株式会社

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。