島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

糞便直接RT-PCR法を用いたノロウイルスG1/G2遺伝子の同時検出
─島津ノロウイルスG1&G2 検出試薬キットについて─

加地 徹1中山 博之1児嶋 浩一2四柳 雄一3西村 直行4

島津評論 69〔1・2〕 173~179 (2012.9)

要旨

島津製作所は,RNA分解酵素の失活とウイルスからのRNA抽出を1ステップで行う糞便処理法と生体物質由来の遺伝子増幅阻害を抑制する専有のAmpdirect技術を応用したRT-PCR法とを組み合わせてノロウイルス遺伝子検出キットを開発し,2006年12月にリリースした。本キットは糞便からRNAを抽出・精製することなく直接増幅して検出できる点では画期的であったが,ノロウイルス遺伝子型G1,G2を個別に検出する必要があり,効率の点からもコストの点からも改善の余地があった。
そこで更なる簡便化を求め,ノロウイルスの遺伝子型G1とG2を同時に検出できるキットの開発に取り組み,2009年9月製品化に成功した。本稿はその概要を記したものである。


1分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部バイオ・臨床ビジネスユニット
2田中最先端研究所
3分析計測事業部グローバルマーケティング部
4分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部バイオ・臨床ビジネスユニット医学博士

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。