島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

蛍光検出超高速液体クロマトグラフィーによる食品試料中アフラトキシンの迅速分析

野村 文子1渡邊 京子1小林 まなみ1西根 勤1濱田 尚樹1早川 禎宏1三上 博久1

島津評論 69〔1・2〕 149~157 (2012.9)

要旨

蛍光検出を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による食品試料中アフラトキシン(B1,B2,G1,G2)分析の迅速化を検討した。アフラトキシンB1およびG1の蛍光強度増大のため行われるトリフルオロ酢酸を用いたプレカラム誘導体化を不要とするため,高感度蛍光検出器RF-20Axsを用いた直接蛍光検出を試み,手作業による煩雑な誘導体化処理なしで,食品試料分析で求められるアフラトキシン濃度の検出を可能とした。
また,分析時間を短縮するため,コンベンショナルHPLC分析を超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)による高速分析に移行することを試み,最適化した分析条件において分析時間をコンベンショナルHPLC分析の1/4以下に短縮することができた。今回検討した直接蛍光検出UHPLC法により,食品試料中アフラトキシン分析の迅速化がはかれることを確認した。


1分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。