島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

GC,GC/MSによる食品の容器包装の分析

浅川 樹子1永田 淳1

島津評論 69〔1・2〕 119~132 (2012.9)

要旨

食品に使われる器具・容器包装には,食の安全性を確保するための規格基準が定められており,その試験法には多くの分析法が採用されている。GC(Gas Chromatography),GC/MS(Gas Chromatography/Mass Spectrometry)は揮発性物質の測定に用いられる分析法であり,合成樹脂製の器具・容器包装中の使用禁止添加剤や残留モノマー等の測定にも広く使われている。本稿では,日本の食品衛生法における器具・容器包装の規格基準の中で,GC,GC/MSが採用されている項目の分析例を紹介する。測定は規格基準に準拠した方法で行っている。試験法には,溶液試料をマイクロシリンジにて試料注入口に導入する通常の試料注入法以外に,塩化ビニルの測定等では,気相に抽出した後カラムに導入するヘッドスペース法が採用されている。ジブチルスズ化合物は,定性能の高いGC/MSで測定している。また,ポリスチレンの揮発性物質の測定ではバックフラッシュを用いた時間短縮を試みた例を示した。


1分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター

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