島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

テクスチャー試験と香気分析を融合した新たな食品フレーバーリリース評価法

岡村 嘉之1垣尾 尚史1妹崎 淑恵1

島津評論 69〔1・2〕 85~95 (2012.9)

要旨

食品のおいしさは食感,味,香りなどが複合的に評価されて感じている。おいしさを機器分析により客観的に評価する研究は盛んに行われており,食感の評価はテクスチャーと呼ばれ近年,広く知られている。食品テクスチャーは,官能試験で評価される食感を一軸試験機にて数値化を行い客観評価する。香りはおいしさに関連した重要な要因であり,食品を咀嚼した際に放散される香りはフレーバーリリースといわれる。本稿では,食品テクスチャー評価を行った際のフレーバーリリースを簡易的に評価できる分析手法を考案した。模擬食品として香料を添加した寒天ゲルを作製し評価した結果から,香料の化学的性質とフレーバーリリースに関する相関が得られた。この結果は食品開発において有益と考えられる。


1分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター

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