島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

多変量解析手法を用いたLC/MS データの解析
─炭酸飲料の特性分析─

渡辺 淳1

島津評論 69〔1・2〕 63~70 (2012.9)

要旨

LCMS-8030を用いて複数の市販の炭酸飲料(コーラ)を正負極性切り替えフルスキャンにてLC/MS分析を行った。LC/MSの各データに対してプロファイリング用データ処理ソフトウェアProfiling Solutionと多変量解析ソフトウェアSIMCA-P+で解析を行い,それぞれのコーラに特有の成分を探索し,その成分についてLC/MS/MS分析を行うことで,対象化合物の構造推定を行った。LCMS-8030は正負極性切り替えが非常に高速であり,またスキャンスピードも非常に高速であるため,正負極性切り替えフルスキャン測定においても通常のLC/MS条件で十分なデータポイントを確保して分析を行うことができる。また,Profiling Solutionは正負フルスキャンデータを一度に解析することができる。本稿では,コーラの分析を一例に,LC/MSを用いた食品(飲料)の多変量解析手法を紹介する。


1分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部MSビジネスユニット

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