島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

UF-Amino Station によるアミノ酸の多成分一斉高速分析
─食品分析への応用─

渡邊 京子1早川 禎宏1増田 潤一2吉田 寛郎3宮野 博4

島津評論 69〔1・2〕 47~54 (2012.9)

要旨

アミノ酸は両性イオン化合物であり,多くは吸光性に乏しいことから,HPLC分析において一般的な逆相分離や吸光光度検出法が適用できない。この問題を解決するために種々の誘導体化法を併用した高速液体クロマトグラフィーによる分析法が用いられるが,既存の誘導体化分析法では分析時間の短縮やカラム分離能に限界があった。
UF-Amino Station は,独自のラベル化試薬によって誘導体化したアミノ酸を超高速分離し,質量分析計にて検出する新たな高速アミノ酸分析システムで,(1)9分間で38成分のアミノ酸を分析,(2)自動誘導体化反応による省力化かつ良好な直線性・再現性,(3)専用ワークステーションAmiNavi®による簡便操作,(4)質量分析による優れた検出選択性,の四つの特長を持つ。
本稿では,UF-Amino Stationの各特長の他,これを食品分析に適用し,迅速かつ定量精度の高い食品中アミノ酸分析を行った結果を報告する。


1分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター
2分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部 LC ビジネスユニット
3味の素株式会社イノベーション研究所基盤技術研究所
4味の素株式会社イノベーション研究所基盤技術研究所薬学博士

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。