島津評論 Vol.69[1・2](2012)
特集 食品分析

特集論文

GC-MSとGC-MS/MSを用いた食品中残留農薬分析について

田中 幸樹1中川 勝博1近藤 友明1北野 理基2坂本 雄紀2川名 修一2宮川 治彦2

島津評論 69〔1・2〕 15~22 (2012.9)

要旨

ガスクロマトグラフ-マススペクトロメータ(GC-MS)を用いた食品中残留農薬の分析では,微量の農薬と食品中に大量に含まれるきょう雑物成分とを分離し,選択的に検出することが求められる。大半の食品中残留農薬はGC-MS で分離・検出できるが,きょう雑物が多い試料ではこれらの成分と農薬のピークが重なり,分離や検出方法などの検討が必要である。
その検討には,前処理でのクリーンナップ操作,クロマトグラフィ分離,マススペクトロメトリー分離と,デコンボリューションなどのデータ処理からのアプローチがある。ここでは,クロマトグラフィ分離とマススペクトロメトリー分離に焦点をあて,異なった固定相カラムでの分離と,トリプル四重極型ガスクロマトグラフ.タンデムマススペクトロメータ(GC-MS/MS)の選択的検出についてその有用性を述べる。


1分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター
2分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部MSビジネスユニット

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